うみなりブログ。

アラフォー腐女子が、BL要素のある文学作品をイラスト付きでゆるく紹介します。日本近現代文学が中心。BL・同性愛的な表現が苦手な方はお気をつけ下さい。

「少年愛文学選」を購入しました

例によって、BL、同性愛的な話題が苦手な方はお気をつけ下さい。

さて、せっかくブログを開設したので、過去に読んだきりの作品についても感想を書こうと思って色々読み返しております。

で、色々検索していて素晴らしい文庫が販売されていることを知り、早速購入しました。

少年愛文学選」(平凡社ライブラリー)。

「明治末から昭和半ばにかけて、国家的暴力・家父長的暴力へのアンチテーゼとして生まれた少年愛の文学」(裏表紙より)というテーマで編集されたアンソロジーです。

何と、あの川端康成先生の「少年」が、清野少年(※川端先生の中学時代の同性愛の相手)に関係する部分だけ抜粋されているという親切設計!「少年」は清野少年以外の部分も割と文量が多いので、最初に一度通読した後は大体いつも読み飛ばしています(オイ)。いつもは図書館から「川端康成全集」第10巻(新潮社)を借りてきて読むのですが、川端全集は当然ながら鈍器として使用できそうなくらい分厚いので(やや誇張)、借りる時も返す時も重たくて持ち運びが大変です。また、コピーを取ろうにもページ数が多くて(100ページ以上ある)躊躇するレベルです。

それが、必要な部分だけこの一冊に!それだけでも買いです!と、思ったら、清野少年から川端先生に宛てられた手紙が載ってない…!うわーん!清野少年からの手紙も割と重要だと思うんだけど、結構ページ数食ってるからかな…。そこだけが残念でした。

あと、堀辰雄先生の「燃ゆる頬」とか折口信夫先生の「口ぶえ」とか、再度図書館から借りてこようと思っていた作品まで載っていましたので、即購入を決めました。

他にも読んだことない作品も色々載っていたので、とても嬉しいです。まだ全部は読んでいませんが、また読み次第色々感想を書いていこうと思います。

解説のところに「給仕の室」にも言及されていてオッとなりましたが、「これは当アンソロジーの主旨とはやや異なるので収録はしなかった。」と書かれていて、やっぱりな〜と納得しています。間違いなく少年愛ではないよね…。

とりあえず収録作品。

夕化粧……山崎俊夫
口ぶえ……折口信夫
乱歩打明け話……江戸川乱歩
稚児殺し……倉田啓明
少年の死……木下杢太郎
彼……武者小路実篤
RちゃんとSの話……稲垣足穂
燃ゆる頬……堀辰雄
沈黙の人……大手拓次
ある美少年に贈る書……村山槐多
少年(抄)……川端康成
夕映少年……中井英夫
贖……塚本邦雄
未青年(抄)……春日井建
青色夢硝子……高原英理

編者解説……高原英理

2000円くらいするので文庫本としてはちょっとお高いのですが、近現代文学BLが好きな方は本棚に一冊置いてあると色々捗ると思います。

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