夏目漱石「坊っちゃん」をBL視点で読む

この記事のタイトルを見て、「え？「坊っちゃん」を？「こころ」じゃなくて？また変人腐女子が訳の分からないことを言い出したよ」と思われた方。私以外にもそんなことを真面目に考えて実際に本にした方がいらっしゃるのです。

そんな訳で、今回はその本に触れながら夏目漱石先生「坊っちゃん」を腐った目で読んでいこうと思います。

語っている内容がいつも以上におかしく且つものすごく阿呆な事になりましたので、頭と心が健康な方はここで立ち去った方が無難です。

以下BL、同性愛の話題になります。お気をつけ下さい。

件の本は、石原豪人先生「謎とき・坊っちゃんー夏目漱石が本当に伝えたかったこと」(飛鳥新社)。

石原豪人先生は雑誌などで活躍された画家です。1998年にお亡くなりになっていますが、この本の発売は2004年で、現在ではAmazonでプレ値がついている迷作です。

内容としては、登場人物(狸は除く)が全員ゲイだったら「坊っちゃん」という小説はどのように読み解けるのかを非常に熱く語った作品です。

突拍子もないのですが、非常に面白くて笑いながら一気読みしてしまいました。いや、本当に突拍子もないのですが、妙に説得力があり、石原先生がいかに全員ゲイ説を推しているのか、物凄い熱量で伝わってきました。私は笑いながら読みましたが、石原先生は真面目に語っておられます。

内容を少し紹介しますと、「坊っちゃん」には清という坊っちゃんを可愛がっているおばあちゃんが登場しますが、この清は「きよ」ではなく「きよし」という名の元女形のおじさんだというのです。

天敵赤シャツに坊っちゃんは一目惚れし、赤シャツを作中で散々けなしているのは照れ隠しの為。

坊っちゃんが宿直の時に布団の中に入っていたのは、バッタではなく「八田」という名前の学生。などなど。

興味を惹かれた方は、公共図書館にもあると思いますので是非探してみて下さい。

カバー下の絵が凄いと聞きましたが、私も図書館で借りたためカバーがガッチリフィルムコーティングされており、見ることが出来ませんでした。どんな絵なんだろう…。

さて、非常に面白く読了した「謎とき・坊っちゃん」ですが、やや不満な点がありました。

まず、坊っちゃんが総攻めの立ち位置であったこと。個人的には私は坊っちゃんは総受けだと思っています。坊っちゃんは非常に気の強いちびっ子です。私が好きな明治時代の軍人に山田顕義閣下(1844〜1892、長州藩出身)がいらっしゃるのですが、山田閣下も非常に気の強いちびっ子です。山田閣下は私の脳内で20年以上総受けですので、閣下を彷彿とさせる坊っちゃんも私の中では総受けです。そんなこと知らんがな…と思った方、考えてもみて下さい。気の強いちびっ子がアレなシーンで素直に従順になる所を。BL漫画の鉄板じゃないですか。という訳で坊っちゃんも総受けです。

そして、別の不満点としては、坊っちゃんは赤シャツともうらなりともアレな関係になりますし(野だいこは赤シャツとデキているので恋敵みたいな立ち位置)、温泉などでも男漁りをしまくっている万年発情期みたいなキャラクターらしいのですが、山嵐とだけは友情しかない所。いや、坊っちゃんでカップリングするなら山嵐×坊っちゃんしかないでしょう⁈ (坊っちゃん→→うらなりもあるか…。)まだBL初心者であった時ですら、万が一坊っちゃんでカップリングするなら山嵐×坊っちゃんしかないな、とかぼんやり思っていたのです。もう堀田先生(※山嵐)、坊っちゃんを上手く言いくるめて手のひらの上で転がしちゃって！単純だから、あんたなら割と上手く操れそうだよ！あんたの手で従順になった坊っちゃんを見せておくれよ！とか、すっかり腐った今はそんなことを思いながら読んでいます。pixivでも見付けたので、山嵐×坊っちゃんを妄想してる人は少なくともこの世界にあと数人は確実にいらっしゃいます。

まぁ、坊っちゃんで真に一番しっくりくるカップリングは坊っちゃん×清ばあちゃんなんですけどね。なんで松山市は坊っちゃん×マドンナみたいなイラストばっかり使ってるの？坊っちゃん×清ばあちゃんのイラストだと敬老の日みたいになっちゃうし、他に女キャラが居ないから？坊っちゃんはマドンナと面識ない上におきゃんとか言ってて良い印象持ってないよ？あと作中で松山市めちゃくちゃディスられてるけどこんなに推してて大丈夫？夏目漱石先生は松山市にどれ程の恨みがあってこんなに酷いことばかり書いてるの？とか以前に松山市を旅行した時に思ったことも書き加えて、今回は終わろうと思います。