うみなりブログ。

アラフォー腐女子が、BL要素のある文学作品をイラスト付きでゆるく紹介します。日本近現代文学が中心。BL・同性愛的な表現が苦手な方はお気をつけ下さい。

里見弴「君と私と」①(相関図付き)

今日になって急に読者様が増えて驚いています。ほぼBL文学と清野少年(もうBL文学とは別枠状態)とレトロゲームの話題しかないので、皆様何かお間違いではないでしょうか…と困惑しておりますが、本当に有難い限りです。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします!

本日は白樺派作家の里見弴(さとみ・とん)先生が、志賀直哉先生との交流を語った自伝風小説「君と私と」の感想です。

BL・同性愛の話題が含まれますので、お気をつけ下さい。

この作品は「明治文学全集 第76巻 初期白樺派文学集」(筑摩書房)や「里見弴全集 第一巻」(筑摩書房)で読むことが出来ますが、私は「明治文学全集」の方しか読んでいません。「明治文学全集」には白樺に載っていたそのままで掲載されていて、「里見弴全集」には里見先生が自ら手直ししたものが掲載されているらしくタイトルも「君と私」になっています。

この作品には白樺派の作家が全て仮名の状態で、大量に登場します。文章は割と読みやすいはずなのに何故か中々頭に入って来ず、登場人物が仮名で大量に次から次へと登場してくる為、めちゃくちゃ読むのに時間がかかりました。「また新しい人が出てきた…この小林君って誰ですか…」とかツッコミつつ、白樺派の概要が書かれている解題とにらめっこし相関図を作りながら読んだら色々捗りましたので、作成した相関図を一応添付致します。当方、白樺派に全く詳しくありませんので、白樺派トロールの方は間違いを見つけましたら是非指摘して下さい。

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肝心な箇所の字がぼけてるので拡大↓

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やっぱりぼけてますので、あとでTwitterとpixivにも画像のみあげます。Twitterもpixivもアカウント名は一緒です。

つーか、白樺派…。マジで沼です…。軽い気持ちで相関図なんか作り始めたことを後悔しました…。ですので友情・恋愛感情を示す矢印はメインキャラのみしか付けてありません。また、自分で間違いに気づきましたら、何のアナウンスもなく画像を差し替えると思いますので、万が一画像を保存される方はお気をつけ下さい。「少年」の相関図も一回差し替えてますよ。

概要としては、志賀直哉先生との出会いから成人後までの交流が書かれており、一応里見→志賀という片想いの同性愛要素はあるんですけど、メインの主題ではなさそうでした。

志賀先生にはめちゃくちゃ人を惹きつける魅力があって、それに魅せられた里見先生が志賀先生との関係を語ったらこうなりました、みたいな感じです。

頻繁に遊郭に行ったことが赤裸々に書かれていたり志賀先生が作中で割と無責任なことを言っている為か、志賀先生はこの小説の内容に反感を覚えて「モデルの不服」という文章を書いた程、色々物議を醸した作品のようです。

 

里見先生と志賀先生が同級生でもないのに物凄く仲が良いです。良すぎです。志賀先生の親友(有島生馬先生)の弟というポジションが里見先生です。付き合っていると言われてもおかしくないくらい、しょっちゅう2人でだったり友達も誘ってだったり一緒に遊びに行ったり旅行に行ったりしています。一緒に(+木下利玄先生)半月くらいの長い旅行に行った帰り際にも「翌日また会おう」とか言い出す始末です。これで付き合ってないんだぜ…嘘だろ…?とか思うくらいべったりなんですけど…。

とりあえず始めは仲の良い友達としてしょっちゅう遊んでいますが、その内に惰性で会っているような感じとなり、志賀先生に精神的にも振り回されたりして本当は離れた方が良いんだろうけど、何故だか離れられないという共依存のような腐れ縁になります。

兄(生馬)からも少し離れた方が良いと言われますが、どうしても離れられずに葛藤しているような所で、「中編未完」。それ以降は不自然な形で原稿が紛失しているそうです。

長くなりそうですので、②に続きます。

里見弴「君と私と」② - うみなりブログ。

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