うみなりブログ。

アラフォー腐女子が、BL要素のある文学作品をイラスト付きでゆるく紹介します。日本近現代文学が中心。BL・同性愛的な表現が苦手な方はお気をつけ下さい。

県立図書館はパラダイス①(川端康成と石濱金作①)

このブログを前から読んでくださっている方には周知の事実ですが、私は川端康成先生の「少年」というBL要素のある作品が大好きです。

どれくらい好きかというと、このブログでも15回に渡って語りまくるという狂気の沙汰を臆面もなく行うほど好きです。(文章が何か変…)

狂気を垣間見たい方はこちらからどうぞ↓

川端康成「少年」① - うみなりブログ。

今回その「少年」に関連して、

『小笠原義人さん(清野少年のモデルの方)が川端康成先生が亡くなった後にインタビューを受けた写真入りの新聞記事がある』

という有力情報を川端康成ガチ勢の方からいただきましたので、情報収集も兼ねて県立図書館へ行ってきました。

清野老人の写真ですと…⁈ 清野少年は一体どんな老人になっているのだ…!清野少年の追っかけとしては絶対に見なきゃならんやつだろう、これは…!という強い情熱を片手に片道2時間くらいかけて県立図書館へ行ってきました。

県立図書館に来るのは学生の時以来ぶりです。

県内で一番大きいので、地元図書館に置いていない欲しい本が色々ここにあります。

結果、新聞記事は見つかりませんでしたが、色々戦利品を入手したので割とウキウキしながら帰ってきました。

今日はその戦利品のご紹介です。

新聞記事はいつか絶対に見つけます。絶対に。待ってろ!清野老人!

戦利品①石濱金作先生「川端君の若い頃」

筑摩書房現代日本文学全集 第37巻 月報」より。

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タイトルのとおり、昭和30年に石濱先生が川端先生の若い頃について書いた文章です。コピー1枚で収まりましたので文章量としては短く、書かれている文章もすごく読みやすかったです。

キターーー!!一高時代のエピソード!望んだ通り一高時代の川端先生について書かれていました。このブログでこの前「川端先生はコミュ力の塊のような人間だと思う」と書いたことがありましたが、急に菊池寛先生のところに押しかけた時のこととか、川端先生のコミュ力が遺憾なく発揮されているエピソードも書いてありましたよ。読めて良かったです。

とりあえずこちらの月報が、今回地元図書館以外の図書館に行こうと思った一番最初のきっかけです。地元図書館に全集はあったのですが、月報が付いてなくてですね…orz

川端先生が石濱先生に対して「こいつが女だったら結婚したい」とか言っていたらしいことを知ってから、石濱先生のことが気になってたまりません。

実際に大正7年くらいから日記が石濱だらけになります。石濱づくしです。どれくらい川端先生が石濱まみれかと言いますと、「君と私と」の志賀先生と里見先生くらいしょっちゅう一緒に遊んでいる印象と書いたら分かる方には分かっていただけるのではないかと…。(わかりづらい…。)

T9.3.17日記(「川端康成全集 補巻一」(新潮社・1999年版)より)

石濱がだんだん僕を離れて鈴木の方に傾いて行くらしい。僕も石濱とは一緒にゐないと変だし、一緒にゐるとその間五分の三位は不快なのだから、石濱が離れるのいゝとして、二人とはまるで本質的に異ふ僕が生活気分を合して行くのは、銀毛の駿馬を持ちながら人が栗毛の馬に乗るからといつて自分も栗毛の鈍馬に乗り、その間に白毛の駿馬は空しく廃馬になるやうなものぢゃないかと思つたりする。

と思うような感じまで、なんか志賀先生と里見先生の関係に似ているような気がするのですが、どうでしょうか。

志賀先生と里見先生の関係についてはこちらに詳しく書いてあります。↓

里見弴「君と私と」①(相関図付き) - うみなりブログ。

私は石濱先生については、川端先生と一高の同級生で、一緒に第6次「新思潮」を作ったということしか知りません。調べてもあまり出て来ない為、謎の人物です。

地元図書館にも読める著作物が少しあるようなのでその内に読んでみようと思っているのですが、日記を読む限りでは親友と言っても差し支えないと思うので、石濱先生が語る「川端君の若い頃」のエピソードはかなり気になるエピソードです。若い頃の川端先生が気になって気になって仕方なくてブログがこんなにヤバいことになっているので、若い川端情報は一つでも多いに越したことはありません。

石濱先生が書いた「青春修業記―無常迅速」がよく川端先生関連の参考文献になっているのでそちらも気になっています。こちらは県立図書館では手に負えなさそうでしたので、国立国会図書館の遠隔複写サービスで依頼してみました。届いて何か面白い発見があったらまた記事にしようと思いますし、川端先生と石濱先生の関係全般においても、もっと日記を読み込んだり他の本を読んだりして改めて語ろうと思います。

※後日語りました↓

石濱金作「無常迅速ー青春修行記」①(川端康成と石濱金作②) - うみなりブログ。

つーか遠隔複写サービス…!最近まで知らなかったので初依頼です。国会図書館で所蔵が確認でき、複写代金+手数料+送料を払えば古いマニアック書籍や雑誌からも記事をコピーして貰えるという素晴らしいサービスです。このサービスを使えば『日下諗先生の「お島と猫」が「白樺」でしか読めない問題』も無事解決です。

『日下諗先生の「お島と猫」が「白樺」でしか読めない問題』はこちらに詳しく書いてあります。↓

初期白樺派の隠れた名作・日下諗「お島と猫」は「給仕の室」の殺害エンド? - うみなりブログ。

えっ!石濱先生についてしか語ってないのにもう2000字超えてる!あと4つも戦利品があるというのに!

という訳で、残りの戦利品についてはまた改めて語りたいと思います。

続きはこちら↓

県立図書館はパラダイス②(日下諗の全小説紹介) - うみなりブログ。

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