恒例の川端康成先生の「少年」関連記事です。
㉒。
…。
もう回数へのセルフツッコミは飽きたのでとりあえず今回はしません😇
①を未読の方はこちら↓
前回を未読の方はこちら↓
「少年」はフィクションか否か(川端康成「少年」㉑) - うみなりブログ。
今回は本編の内容については語りませんが、BL・同性愛を主題にした作品について取り扱っていますので、以下一応お気をつけ下さい。
Twitter上には「少年」の文庫本発売の発案をされた神様である初版道様がおはします。
今回「少年」発売を記念して、初版道様が昭和26年に目黒書店から発行された「少年」の初版本をプレゼントするという素晴らしい企画を行なって下さいました。
「少年」は今回の文庫が発売される前は「川端康成全集」でしか読めない作品だったのですが、実は過去に一度だけ単行本として発売されたことがあります。それが昭和26年に目黒書店から発行された単行本です。それ以降、単行本や文庫になっていなかった為、文庫が発売されるまでは本当に全集以外で「少年」は読めませんでした。
私にとって「少年」の昭和26年・目黒書店版は夢の書物です。
ましてやその初版本なんて、博物館のガラスケースに入っているくらいのレアリティを持った品です。
それをプレゼントですって⁈
どうせ当たらないだろうけど、万が一のことがあるかもしれないと思い、駄目元で応募しました。
そうしたら、なんと…当 た り ま し た( ゚д゚)
びっくりです!
多分今年全ての運を使い果たしましたが、本当に本当に嬉しいです😭✨
初版道様、本当に有り難うございました!!
という訳で、せっかくですので、今回は昭和26年・目黒書店版の「少年」を見ていきたいと思います。
ハードカバーではないので全体的に柔らかいです。
文庫と比べるとこれくらいのサイズです。
「人間選書Ⅳ」として刊行されています。
昭和26年4月発行。
定価220円。
「十六歳の日記」「伊豆の踊子」「少年」の三作が収録されています。解説やあとがきなどはありません。
この三作を読むと川端先生の若い頃のルーツ的なものが纏めて辿れると思いますので、素晴らしい構成です。
帯でもそのように推されています。
川端文学の精髄‼︎
青春……
旅愁………
叙情…………
数多くの川端康成氏の作品のなかでも「十六歳の日記」「伊豆の踊子」は既に古典とも謂いうる名作たるは周知である。この二作の母体をなす氏の青春の日記がはじめて発表されたのが「少年」である。川端文学を味読するためには、この三作を収めた本書により、清冽な愛と旅情にあふれたこの名匠の若き日をたずねてはじめてその真髄にふれることができるであらう。
全240ページ。
残念ながら、清野少年からの手紙の途中で終わっています。
文庫本では138ページの所までです。
万が一古い単行本を入手する機会に恵まれた方は、こちらの単行本では「少年」の全てを読む事はできませんのでお気をつけ下さい。
「少年」の解題によると、この単行本の発売後に刊行された全集の収録時に加筆されて今の形になったそうなので、この時点ではここまでだったのですね。いやはや、それを目の当たりに出来るとは、何とも貴重です。
本文は旧字旧仮名遣いです。
私は旧字旧仮名遣いの方が味わい深くて好きなので、とても嬉しいです(*´∀`*)
すごいどうでも良いことを書きますが、
この「清」の文字…!
中が月ではなく円の「清」…!
私のスマホでは出ない「清」…!
これが最高です…!
「少年」ネタはいつネタ切れになるんだろう…と書いている本人も甚だ疑問なんですが、とりあえずまだもう少し書くことがありそうなので、宜しければ次は「少年」㉓にお付き合い下さい…。
↑宜しければクリックお願いします🤲