川端康成先生の「少年」が漫画化されているものを発見したので、感想を書きます。
もうじき文庫にもなりますし、「少年」情報は余すところなくネタにしていくスタンスです。
「少年」19回目の記事です。
あれ?⑲の丸数字だけフォントが何か違う…⁈
とりあえず⑳を目指そうと思います。
未読の方は①からご覧下さい。
前回の記事はこちらです。
「少年」の舞台の写真集(川端康成「少年」⑱) - うみなりブログ。
ところで、「少年」の文庫の発売日に、「掌の小説」も新しいバージョンの文庫も発売するみたいですね。
4月には日本近代文学館で、10月には神奈川近代文学館でそれぞれ「川端康成展」が企画されているそうで、今年はさながら川端祭りみたいな様相を呈しています。さすが没後50年!
以下BL・同性愛の話題です。お気をつけ下さい。
私はこのブログで「少年」の記事を扱い始めてから常々考えていました。
「少年」の漫画が読みたいと…!
私以外の人が描いた清野少年が見たいと…!!
そして、今年の正月頃に「少年」が漫画になっているという超断片情報を入手したので、血眼になって探しましたが、最近になりようやく見つけました。
真山知幸先生監修「恋する文豪 日本文学編」(東京書籍、2012年)という、文豪の恋愛エピソードの漫画と解説が載っている本に載っていました。
漱石も鷗外も太宰も、恋をしたから文学できた。日本文学史上にかがやく文豪たち10人の恋バナが切ない系オムニバスコミックになりました。文豪たちの恋愛相関図や話の背景、また、その後の作品への影響なども解説。文学入門にもオススメ。(Amazonの説明より。)
夏目漱石、太宰治、森鷗外、谷崎潤一郎、芥川龍之介、高村光太郎、中原中也、石川啄木、川端康成、島崎藤村が扱われています。
漫画がそれぞれ10ページくらいずつ、相関図付きの文章での解説が2ページくらいずつです。
文豪に興味を持ち始めた方への入門書みたいな感じで、漫画中心なのでサラッと読めてなかなか良かったです。
他の文豪が女性との恋愛や夫婦関係を描いている中、我らが川端先生のエピソードだけBLでした。(もうあと何人かBLエピソードが欲しかったなぁ…(*´-`))
もちろん相手は清野少年です。
作中では名前が小笠原義人になっていましたので、「少年」をまんま漫画にした訳ではなく史実ベースなのですが、まぁ「少年」自体が名前だけ仮名にされている実話ですんで「少年」の漫画化と言っても差し支えないでしょう。
読んだ感想。
清野少年が可愛くて良かった!満足感高めです!
自分でいうのもアレですが、私はこの半年くらいでかなり「少年」を読み込んで史実周りについても調べまくった(※そのせいでブログタイトルの「少年」のナンバリングが⑲とかいう訳の分からんことになっています。)ので、「少年」について語られているものに関してはかなり厳しい目で見ています。
なので、今回のこの漫画に関しても「どうせツッコミ処が多いんだろうな…」と正直期待はしていませんでしたが、予想に反し読んでみたら満足感は高めでした。
キャラデザが川端先生も清野少年もなかなか良くて、絵柄も好きな感じでした。
こんな感じです。
可愛い(´∀`*)
いやもう、清野少年が可愛らしくて、「私のからだはあなたにあげたはるから、どうなとしなはれ。殺すなと生かすなと勝手だつせ。」という名台詞もしっかりと使われていました。
日の出ハイム先生が作画されています。
私はあんまりBLコミックスを読まないので、日の出ハイム先生のコミックスも実は読んだことがないのですが、ちょっと読んでみたくなりました。(ファンの方いらっしゃいましたら、是非オススメ作品を教えて下さい(´∀`*))
全体的に満足感は高めでしたが、
・清野少年との関係は11月から3月の間なのに、夏頃にそういう関係になっている描写がある。
・茨木中学の制服は和装なのに、洋装の制服っぽい姿がある。(まぁ寄宿舎で私服を着ていると見れないことはないです)
という細かいツッコミ処は見受けられました。
小姑みたいで本当すみません…( ;∀;)
でも漫画化されているものが存在するとは思わなかったので、本当に読めて良かったです!
短いページ数ながら二人の関係がぎゅっと濃縮されていて(このページ数で上手く纏められたなぁと本当に感心しています…)、最後の辺りはホロリときました。
これからも定期的に本棚から引っ張り出して眺めたい、そんな気持ちです。
興味がある方は是非「恋する文豪 日本文学編」を探してみて下さい。
他の文豪の漫画も良かったですよ〜( ´ ▽ ` )あ、なんか、電子書籍版だと中原中也先生と誰かもうお一方のエピソードが無くて8人分しか読めなかったとレビューに書かれていましたので、電子書籍版を購入される際にはお気をつけ下さい。
そして、もう一作「少年」がネタにされている漫画があります。
千船翔子先生「文豪失格」(実業之日本社)シリーズです。3冊出ています。
私、この漫画が大好きで、初版の特典付きをアニ○イトまで買いに行ったり、アンケートのプレゼントで何と千船先生の直筆色紙を戴いた思い出まであります。
あと、アンケートを書いた人全員にクリスマスカードをくれるという太っ腹なサービスをしていらっしゃったので、ちゃっかり便乗させていただいてクリスマスカードをも戴きました。千船先生、有難うございました🙏✨今も大事に保管しています。
天国で暮らす文豪たちを描く、愛あふれる教養ギャグ漫画! 実際のエピソード満載のギャグで、ゆる~く文学史の勉強になるかも?(Amazonの説明より)
というギャグ漫画なんですけど、めちゃくちゃ面白いです。たまに「お父さんは心配性」の岡田あーみん先生を彷彿とさせるテンションの高さです。(分かる方は多分同世代)
色々な文豪が出ていますが、川端先生もばっちり登場しています。この漫画の川端先生、控えめに言って大好きです。
この漫画の川端先生のエピソードで「少年」がネタとして使われています。
もう、「少年」を読む度に幾度となく脳内でツッコんでいたあのエピソードを、秀逸にツッコんで下さっています。
こんな感じで😂
この「少年」ネタとは違う川端先生のネタで茨木中学の制服が思いっきり学ランになっていますが、そんな細かいことはどうでも良い!とにかく、この秀逸なギャグを皆に読んでもらいたい!!という気持ちでいっぱいです。
川端先生だけじゃなくて、色々な文豪の色々なエピソードが面白おかしくツッコまれてますので、文豪好きな方は是非読んでみて下さい。
こちらから1話が試し読みできます。↓
という訳で「少年」が扱われている漫画の紹介でした。
なんかギャグテイストに「少年」がちょっとだけネタにされている漫画がもう一つあったような気がするのですが、思い出せませんでした。なんか「少年」の本文が引用されて、「登場人物は全て男です」とツッコまれていたような気がするんですが、どうしても何に載っていたのか思い出せない…。(「文豪失格」のネタかと思ってたけど違いました。)
もし上の漫画や「他にも「少年」の漫画があるよ!」とご存知の方がいらっしゃいましたら、是非是非是非是非教えていただけると嬉しいです!!!同人誌でも構いません!(寧ろウェルカム)
宜しくお願いします!!!(土下座)
「少年」の続き↓
新潮文庫「少年」(川端康成「少年」⑳) - うみなりブログ。
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