うみなりブログ。

アラフォー腐女子が、BL要素のある文学作品をイラスト付きでゆるく紹介します。日本近現代文学が中心。BL・同性愛的な表現が苦手な方はお気をつけ下さい。

川端康成「少年」①

今日までに当ブログでは「明治時代の変態SM小説」「R指定の芥川作品」「元エリート軍国少年の赤裸々小悪魔日記」といった文学作品を紹介しましたが、今回が色んな意味で一番まともかも知れません。

以下、BL・同性愛的な話題がNGな方はお気をつけ下さい。

川端康成先生の「少年」は日本近現代文学BLの名作だと思います。この沼に入ろうという人は一度は読んだ方が良いです。

概要としては、川端先生が茨木中学5年生の時に経験した3学年下の後輩・小笠原義人(作中での名前は「清野」なので以降は「清野」と記載します)との同性愛体験を、川端先生の代表作「伊豆の踊り子」の元になった「湯ヶ島での思ひ出」という草稿、当時の日記、手紙などから引用して書いた作品です。小説ではなく、回顧録のようなものになります。

何とあの「伊豆の踊り子」はこの「湯ヶ島での思ひ出」の前半部分でしかなく、後半はまるまる同性愛の相手・清野少年との愛の記録が綴られていたそうです。残念ながら「湯ヶ島での思ひ出」は川端先生がこの「少年」を書き終えた後破棄したらしく、出版はされていません。

この作品は「少年愛文学選」(平凡社ライブラリー)に抜粋されたものが載っていますが、未読の方は絶対に「川端康成全集」第10巻(新潮社、1999年版)を読んで下さい。100ページ以上ある上に清野少年が出てこない部分も多いので読むのが大変かもしれないですが、一度は通読した方が良いです。清野少年から川端先生に宛てられた手紙が最後の方に沢山載っているのですが、この部分も「少年愛文学選」には載っていませんでした。私はこの清野少年の手紙の部分も大好きなので、載っていなくて本当に残念でした。

とりあえず一言で感想を述べると、もう、もう、とりあえず清野少年が可愛いくて尊い!天使!

これに尽きます。

そして、今回久しぶりに読み返したら、読後感がめちゃくちゃ切なくて苦しくなりました。あれ?こんなに切ない話だったっけ?私も歳を取ったから、若い時に持った感想と違う感想を持ったのかも知れません。

ブログの結構な割合を使って語りまくっているので全く信用してもらえないかもしれませんが、私は「給仕の室」みたいな変態小説ばかりが好きな訳ではないのです。この「少年」にはハマった当初かなり萌えましたし、今も定期的に読みたくなります。そして「少年愛文学選」に必要な部分だけ抜粋されていると知り、即買いしました。それくらい好き。

さて「少年」は、清野少年から川端先生(作中での名前は宮本)に寄せられる、恋愛感情を超越した一途で純粋な思慕がものすごく尊くて印象に残る作品なのですが、一方の川端先生はというと清野少年一筋という訳でもなく、お気に入りの後輩達を寄宿舎の自分の部屋の室員にしてルウム(ハーレムみたいなもの?)を作りたいとかいうちょっとアレな願望を暴露していたりします。

清野少年は残念ながら川端先生にとってはあまり魅力的な容姿でなかったらしく、なんか「おろかしい顔」とか「どうしたつて肉体の美のないところに私のあこがれはもとめられない。」とか書かれているし…。

川端先生は清野少年の天使ぶりに心打たれて「清野のことをほんたうに好きにな」るのですが、他の美少年にも心が奪われている模様です。

「私のからだはあなたにあげたはるから、どうなとしなはれ。殺すなと生かすなと勝手だつせ。食ひなはるか、飼うときなはるか、ほんまに勝手だつせ。」という最強の殺し文句をサラリと口にする清野少年(この関西弁がまた萌えポイントだと思う)。川端先生でなくとも惚れてしまいそうです。

卒業後には31枚に及ぶ熱烈なラブレターを清野少年宛にしたためるなど、川端先生は他に目移りはしたものの清野少年のことが大好きです。

このラブレターの内容がまた凄い。割と有名かもしれませんが、「お前の指を、手を、腕を、胸を、頬を、瞼を、舌を、歯を、脚を愛着した。僕はお前を恋してゐた。お前も僕を恋してゐたと言つてよい。」といった内容です。残念ながらこの31枚に渡る手紙は清野少年には一枚も届かなかったようですが、何故か一部分が一高に作文として提出されています。本当に何故。

ちょっと長くなってきたので、続きはまた次回書きます。

川端康成「少年」② - うみなりブログ。

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