うみなりブログ。

アラフォー腐女子が、BL要素のある文学作品をイラスト付きでゆるく紹介します。日本近現代文学が中心。BL・同性愛的な表現が苦手な方はお気をつけ下さい。

㊗️文庫化!里見弴「君と私・志賀直哉をめぐる作品集」(里見弴「君と私と」⑤)

当ブログでも以前に取り扱った里見弴先生の「君と私と」+一連の作品が、2023年5月25日に文庫で発売されます!!わーいヽ(´▽`)/

まんま志賀直哉先生との関係を描いた作品だけが収録されているという、二人の関係性オタク待望の夢のような文庫です。

 

 

出版社は、あの伝説の変態小説「給仕の室 」を文庫化して下さった、信頼と実績の中央公論新社さんです!!

 

中公さん、これらの文庫化を推し進めるなんてマジで凄いですね!もう腐女子の味方だとしか思えないです…(すみません)

微力ながら当ブログやTwitterで宣伝しまくりますので、これからも思いもよらぬ作品をじゃんじゃん文庫化して下さいましたらその度に過剰反応しながら喜びます!!とりあえず数年後とかでも良いので石濱金作「無常迅速ー青春修行記 川端康成をめぐる作品集」をお待ちしています!!!石濱先生はどこの出版社も現在なら全くノーマークだと思いますので、今がチャンスですよ!!!(ここぞとばかりにダイレクトマーケティング)

 

 

さて、里見弴先生の「君と私と」です。

一応過去記事のリンクを貼っておきます。

里見弴「君と私と」①(相関図付き)

里見弴「君と私と」②

里見弴「君と私と」③

里見弴「君と私と」④

1970年代の里見全集に収録された際のタイトルは「君と私」で、今回発売する文庫のタイトルも「君と私」なのですが、同作品で私が読んだ「明治文学全集 第76巻 初期白樺派文学集」(筑摩書房、1973年)でのタイトルが「君と私と」となっていますので、私はブログでずっと「君と私と」と書いています。私は高校時代にこの表記揺れのせいでなかなか辿り着けなかったのですが、同じ作品です。

 

さてさて、文庫はどのような構成なのか詳しく書かれていましたので引用したいと思います。

よい友とは、何をしてもよい。絶交してさえもよい。――

衝突と復縁を繰り返しながら、生涯にわたる友情を育んだ二人の作家。
表題作は、幼少期の出会いから「白樺」での文学修業に至る青春期までを辿った、里見弴幻の代表作。〈白樺派の青春群像を描いた重要文献〉にして、のちの『暗夜行路』成立にも多大な影響を与えた作品でありながら、最終回の原稿紛失事件により未完に。これまで文学全集でしか読むことはできず、文庫化は今回が初となる。
その他、「城の崎にて」で知られる志賀の山手線事故の顛末を記した「善心悪心」、鳥取・松江旅行の回想「世界一」「或る年の初夏に」など、若き志賀との交友に関する小説・随筆の主要作品を初めて一冊に。二大文豪の出発点をあらためて見直す文庫オリジナル。
〈巻末エッセイ〉麻井朝

 

【目次】

[小説]

君と私(1913)

善心悪心(1916)

世界一(1920)

或る年の初夏に(1917)

幸福人(1917)

失われた原稿(1916)

[随筆等]

春の水ぬるむが如くに(1924)

志賀君との交友記(1935)

弔辞(1971)

志賀君との間柄(1974)

 

(Amazonの商品ページよりhttps://www.amazon.co.jp/dp/4122073642/ref=mp_s_a_1_8?crid=1PDA3PUQISECI&keywords=里見弴&qid=1680536277&sprefix=%2Caps%2C170&sr=8-8)

中公さんの公式ページで見つからなかった為Amazonの商品ページから引用いたしました。

「よい友とは、何をしてもよい。絶交してさえもよい。――」

って初っ端から凄いです。

絶交してまで良いと言える関係が、二人の凄さを物語っています。

 

そして、収録作品。

私が読んだ「君と私と」一連作品の里見先生側は網羅されている上に、弔辞まで入っているという超親切設計です。弔辞は読んだことないのでこの文庫の中で一番楽しみです!個人的に「世界一」(国会図書館デジタルでは見られますが、かなりのレア作品)の内容が可愛くて大好きなので、入れてくれてて嬉しいです。

志賀先生側も合わせて読みたいところですが贅沢は言うまい…!つーか里見先生が書いたやつだけで368ページもあるらしいので、志賀先生側が入る余地が普通になさそうです…!!

里見先生のこれらの作品がここまでまとまっている書籍は世界初だと思いますので、これからしがとんワールドに足を踏み入れようと考えている方にはうってつけなのではないでしょうか。

 

「一人にならう!」
君は幾度も心にさう思ふ。
「あゝ、イヤだ/\」
私もさう思ふ。
それが、どうしても別れられないーーかう云ふ一種不合理な關係がいつの間にか君と私との間に、女郎蜘蛛の巢のやうに粘り强く、複雑にまつわり附いて了つた。

(里見弴「君と私と」(「明治文学全集 第76巻 初期白樺派文学集」(筑摩書房、1973年)))

という文章が「君と私と」の後半で出てきますが、個人的にはこの何とも言えない関係性がたまりません。

このような共依存的関係の後に8年も絶交して仲直りして、最後までずっとずっと特別な間柄であった二人。

本当に尊いなと思います。

 

そんな二人の関係を垣間見られる作品だけを文庫1冊にまとめて下さって気軽に触れられるようにして下さった中央公論新社さんには、本当に感謝です。

発売を心待ちにしています。

 

気になっていたけどこれまで「君と私と」を手に取る機会が無かった方や何となく面白そうだと思った方、発売されたら是非気軽に文庫を手に取って下さると嬉しいです。思いもよらぬすごい世界が垣間見られるかもしれませんよ。

 

 

 

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